ある葬儀の風景 view
祭壇のイメージ(好きな花、色、もの)も伝えましょう
2018/10/24
ある日のご葬儀です。
80代の女性。
ご主人は船乗りで、陸に上がっても、港での仕事があり、自宅に帰ってきたのは定年後。
ずっと、単身赴任の家庭を支えてきた奥様でした。
港に着いたら子どもを連れて逢いに行っていらしたそうです。
打ち合わせに参加してくださったのは、ご主人・子どもさん・親戚の人たち・・
話をしてくださったのは主にご主人でした。これは珍しいケースです。
やはり日本人男性、特にこの年代の人は多くを語りたがらないし、
高齢の方は喪主と言っても、子どもたちにすべて任せていることも多いものです。
けれど、ご主人が優しい口調で話してくださいました。
母親の優しさと、父親のような強く深い愛で子ども育ててくれた事
ご主人の両親も、故人の両親も、手厚く看護し看取ってくれた事
奥様は長い闘病生活を、出来るだけ自宅で普通に暮らしたい。
最後まで、自然に、自分らしく生きたい。
その思いを貫いた気丈な女性でした。
その心を支えたのは厚い信仰心。
瀬戸内寂聴やひろさちやの講和のCDを聞き、本を読み
ゆっくりと自分と向き合っていたようです。
そんな事を話され、一息ついて「申し分のない妻でした・・・」
そう話され、ぽろぽろ涙を流すご主人。
きっと穏やかなご夫婦だったのでしょうね
ほっこりとした気持ちになりました。
紫のお洋服に、紫の帽子がよくお似合いの遺影写真。
お嬢様にお尋ねすると、やはり紫が好きだったと教えてくださいました。
祭壇の花も紫のデンファレが基調となっていて、「お花の色も指定されたんですか?」と
さらにお聞きしたら
「いえ。きっと写真を見て葬儀社さんが気を利かせて下さったのかも・・・ですね。
ありがたいです。」
結果は・・・
ただの偶然ですって・・
今、この花をよく使うんですよ~って
残念!!
「良い勘違いしてらっしゃるので、偶然ですって言わないように」と釘を刺した私でした。
★ワンポイント
これから葬儀をされる皆さん
故人の好きな花や色があったら、一応伝えてみましょう。
特にお金かけなくても、希望が叶うかもしれませんよ!!
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こだわったからこその自宅葬
代表者(森田理恵子)
プロフィール
経歴
- 1980年3月
-
鹿児島短期大学音楽科卒業。
ピアノ講師として子どもや大人のレッスンをする傍ら、婚礼でエレクトーン・ピアノ演奏をしていたが、1998年、縁あって某大手葬儀社にて司会・ピアノ演奏・アテンダント・控室の清掃など、葬儀現場の女性の仕事を請け負うようになる。 葬儀現場における様々な業務に従事し、葬儀を一から学ぶ。
- 2001年
- 有限会社エムアール・コーポレーションを設立。
- 2007年
-
ある思いからその某大手葬儀社との契約を解除。
社員・スタッフはその葬儀社に移籍、一人でゼロからの再スタート。
- 2015年
- 一般社団法人自分史活用推進協議会認定 自分史活用アドバイザー資格取得。
- 2017年
- 一般社団法人グリーフサポート研究所認定 グリーフサポートバディ資格取得。
- 2018年現在
-
約10社からの司会・ピアノ演奏の依頼を受け、スタッフを派遣。自らも司会者として奮闘中。
もっとご遺族の為にできることがあるのではとの想いから2015年より、株式会社ジーエスアイで、以前から興味のあったグリーフサポートを学ぶ。
- 2018年
- 一般社団法人グリーフサポート研究所認定 セレブラント資格取得。