ある葬儀の風景 view
介護は、親が命がけでする最後の子育てだ
2021/04/08
ある日のご葬儀です。
認知症の母親を10年ほど自宅で介護してこられた喪主(長男)は一人っ子の方で独身でもありました。
喪主様はカメラが趣味で個展を開いたこともあるそうで、お母さんは息子さんの良き理解者であり、ファンであり、いつも応援していらしたそうです。
葬儀社の社員の方の話によると、お母さんのベッドの近くには息子さんの写真が何点か飾ってあったとのこと。
大好きな写真を眺めながら、ベッドで休んでいらしたのでしょう。
遺族あいさつで喪主様が、このような話をしてくださいました。
母の介護が始まったころ、人から自宅で見るのは大変だよと言われました。
そのころ読んだ本で「介護は、親が命がけでする最後の子育てだ」という言葉を知りました。
そうか、僕が育ててもらうんだ。そう思うと、最後まで自宅で過ごしてほしいとそう感じたんです。
時には自分の中の悪魔との戦いながらでしたが、10年、一緒に居れたことに感謝してます。
母は徘徊することもなく、穏やかに過ごしてくれました。
といった内容でした。
この話はもちろん、私との打ち合わせの中でも教えてくださいました。
とても素敵なエピソードですし、遺族あいさつとしても、命の尊さを考えさせてくれる話だったと思います。
それからずいぶん時が流れ、TVで見たドキュメンタリー映画『ぼけますから、よろしくお願いします。』
その中でも出てきた言葉です。
「介護は、親が命がけでする最後の子育てだ」
私もそろそろ母の介護が始まろうとしています。
私の中の悪魔と闘いながらも、穏やかな日々を紡げるのでしょうか?
60歳になった私もまだまだ学ばなくては・・・
ブログ記事一覧
-
2024/08/16
第3回 癒しのこもれびコンサート2024 -
2024/05/19
ご弔電について -
2024/05/16
お棺の周りでお花を入れながら -
2022/12/17
父の遺言 -
2021/09/26
こだわったからこその自宅葬
代表者(森田理恵子)
プロフィール
経歴
- 1980年3月
-
鹿児島短期大学音楽科卒業。
ピアノ講師として子どもや大人のレッスンをする傍ら、婚礼でエレクトーン・ピアノ演奏をしていたが、1998年、縁あって某大手葬儀社にて司会・ピアノ演奏・アテンダント・控室の清掃など、葬儀現場の女性の仕事を請け負うようになる。 葬儀現場における様々な業務に従事し、葬儀を一から学ぶ。
- 2001年
- 有限会社エムアール・コーポレーションを設立。
- 2007年
-
ある思いからその某大手葬儀社との契約を解除。
社員・スタッフはその葬儀社に移籍、一人でゼロからの再スタート。
- 2015年
- 一般社団法人自分史活用推進協議会認定 自分史活用アドバイザー資格取得。
- 2017年
- 一般社団法人グリーフサポート研究所認定 グリーフサポートバディ資格取得。
- 2018年現在
-
約10社からの司会・ピアノ演奏の依頼を受け、スタッフを派遣。自らも司会者として奮闘中。
もっとご遺族の為にできることがあるのではとの想いから2015年より、株式会社ジーエスアイで、以前から興味のあったグリーフサポートを学ぶ。
- 2018年
- 一般社団法人グリーフサポート研究所認定 セレブラント資格取得。