ある葬儀の風景 view
手書きのお礼状と歌でのご出棺
2018/09/27
ある日のご葬儀です。
その日のお礼状(返礼品に添えられた、会葬者へのお礼の挨拶と遺族の名前が綴られた印刷物)は手書きのお礼状でした。3人の子どもさんそれぞれが書かれたお父さんへの感謝の気持ちと、ご縁のあった皆さんへの感謝が綴られていたのです。
奥様と子どもさん方と、お孫さん、そして、近い身内の方が集まっての家族葬。お話を伺うと、故人は多くの方に慕われていらしたようで一般葬でされたら、多くの参列者がお見えになったことでしょう
家族葬にしたのは理由がありました。ここでは詳細は書きませんが・・故人の強い意志で、そして、なるほど・・と納得できる理由でもありました。
ご遺族の方々は、葬儀が終わってから、大勢の方が自宅にお見えになるだろうと、なぜ教えてくれなかったのかと言われるだろうと、よく指摘される「家族葬のデメリット」についても充分わかっていらっしゃいましたし、「だから、お詫びの意味も込めて自分たちでこのお礼状を作ったんです」と話してくださいました。
身内だけなので、通常行われるご葬儀最後の遺族挨拶はしないとのこと・・・ それで、このお礼状読まれたらいかがですかとご提案。
事後報告になってしまったけれど、葬儀社様の社員である担当者に「子ども様が、お礼状を読まれます。」と申し上げたら「泣いて読めないんじゃないの・・」と少しだけ心配げ・・
私は、もしもの時は私のほうで代読もできるし、それより兄弟が力を合わせて読んでくださると信じていました。そして、涙、涙のご挨拶。ここでのご様子はあえて省きますが、素敵な時間だったように思います。
その後、感謝一杯の言葉とお花でお別れをされ、式場から霊柩車へと・・
このとき、柩の後を歩く次女さんが「長持唄」の歌詞を変えて歌われたのです。もちろん、打ち合わせもしましたし、リハーサルだってしていました。
もともとは娘を嫁に出すときの旅立ちの歌。学生時代、民謡を歌っていらしたというだけあって、伸びやかな歌声が小さい式場に響き渡り、とても感動的で、参加者全員(スタッフも含め)涙を浮かべての見送りとなりました。
お柩を霊柩車に納め、しばらく歌が続きワンコーラス歌い終わると、パタンとドアが閉まり、「お父さん、ありがとう」と叫ばれたのも印象的。
子どもを信じ、愛し、守ってくれた父を見送る手作り感あふれるご葬儀でした。
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こだわったからこその自宅葬
代表者(森田理恵子)
プロフィール
経歴
- 1980年3月
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鹿児島短期大学音楽科卒業。
ピアノ講師として子どもや大人のレッスンをする傍ら、婚礼でエレクトーン・ピアノ演奏をしていたが、1998年、縁あって某大手葬儀社にて司会・ピアノ演奏・アテンダント・控室の清掃など、葬儀現場の女性の仕事を請け負うようになる。 葬儀現場における様々な業務に従事し、葬儀を一から学ぶ。
- 2001年
- 有限会社エムアール・コーポレーションを設立。
- 2007年
-
ある思いからその某大手葬儀社との契約を解除。
社員・スタッフはその葬儀社に移籍、一人でゼロからの再スタート。
- 2015年
- 一般社団法人自分史活用推進協議会認定 自分史活用アドバイザー資格取得。
- 2017年
- 一般社団法人グリーフサポート研究所認定 グリーフサポートバディ資格取得。
- 2018年現在
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約10社からの司会・ピアノ演奏の依頼を受け、スタッフを派遣。自らも司会者として奮闘中。
もっとご遺族の為にできることがあるのではとの想いから2015年より、株式会社ジーエスアイで、以前から興味のあったグリーフサポートを学ぶ。
- 2018年
- 一般社団法人グリーフサポート研究所認定 セレブラント資格取得。