ある葬儀の風景 view
こだわったからこその自宅葬
2021/09/26
ある日のご葬儀です。
近頃珍しく自宅葬。
喪主様曰く、
僕はね、長年、母を施設に入れてしまったんです。
母はここにいたかったと思うのですが、家で看ることが出来なかった。
洋裁が趣味だったのに、施設ではそんなことも出来なくて…
悪かったなと思っています。
もうあまり長くはないという母に、毎日会いたいのに、このコロナ禍で面会も厳しい。
それで最後だけでもと思い、2カ月前に母を我が家に連れて帰ってきたんです。
姉が色々と面倒を見てくれたからできたんですけど……
母を家で看取ることが出来ました。
亡くなって、葬儀どうするってなった時に、どうしても葬儀場に運ぶ気になれなかった。
折角、家に帰ってきたのに、また知らないところに連れていくことに、ものすごく違和感を覚えたんです。
で、葬儀社の方に相談したら自宅でも出来るよということになって…
たくさんの人がお見えになるなら葬儀社のほうが良いのかもしれないけど、コロナで身内以外にお知らせすることは控えたいという気持ちもあり、限られた人数だったので自宅で良かったです。
葬儀社さんに母が明るいお花が好きだったとお話ししたら、こんなに明るい祭壇にしてくださいました。
親戚が集まって、この祭壇の前で母を囲み、ゆっくり想い出話も出来て、母も喜んで聞いてくれていたと思います。
そんな話を聴かせていただきました。
仕事として、デザインから考えオーダーメードで洋服を作っていらした故人が、子どもさん、お孫さんのために作って下さった可愛い洋服、娘さんのウェディングドレス。
そして、海外旅行先で写された素敵な笑顔のご夫婦の写真が、玄関ホールに飾られて、故人らしさに溢れる中でのご葬儀。
遺族代表の挨拶で会葬者の皆様へお礼の言葉。
そして、お母さんへの沢山の
「ごめんなさい」と「ありがとう」
素直な気持ちを話せたのは、自宅だったというのもあるのかもしれません。
自宅葬は駐車場の確保、近隣への配慮など、注意点もあるとは思うけれど、少人数なら家族葬も良いなと感じたご葬儀でした。
特にこのご家族のように、今、自宅での看取りというのも増えてきていると思うので、
そのまま自宅から送り出す(自宅葬)というのも増えてくるのかもしれません。
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こだわったからこその自宅葬
代表者(森田理恵子)
プロフィール
経歴
- 1980年3月
-
鹿児島短期大学音楽科卒業。
ピアノ講師として子どもや大人のレッスンをする傍ら、婚礼でエレクトーン・ピアノ演奏をしていたが、1998年、縁あって某大手葬儀社にて司会・ピアノ演奏・アテンダント・控室の清掃など、葬儀現場の女性の仕事を請け負うようになる。 葬儀現場における様々な業務に従事し、葬儀を一から学ぶ。
- 2001年
- 有限会社エムアール・コーポレーションを設立。
- 2007年
-
ある思いからその某大手葬儀社との契約を解除。
社員・スタッフはその葬儀社に移籍、一人でゼロからの再スタート。
- 2015年
- 一般社団法人自分史活用推進協議会認定 自分史活用アドバイザー資格取得。
- 2017年
- 一般社団法人グリーフサポート研究所認定 グリーフサポートバディ資格取得。
- 2018年現在
-
約10社からの司会・ピアノ演奏の依頼を受け、スタッフを派遣。自らも司会者として奮闘中。
もっとご遺族の為にできることがあるのではとの想いから2015年より、株式会社ジーエスアイで、以前から興味のあったグリーフサポートを学ぶ。
- 2018年
- 一般社団法人グリーフサポート研究所認定 セレブラント資格取得。