ある葬儀の風景 view

300本のガーベラ
2019/06/27
ある日のご葬儀です
式場に入るとたくさんの写真が展示してありました。
・家族・兄弟と・・・
・新婚時代
・家族と一緒
・趣味を通して・・・
・孫たちと・・
など5枚ほどの大きな用紙にタイトルがつけられて、それぞれに20枚くらいの写真が丁寧に貼ってあります。
それらを見て、すぐにご家族が作成されたのだろうと感じました
葬儀社の方が写真をお預かりして、写真を展示することも多いのですが、それらとは違い
101歳の女性の人生の歩みが伝わってくる暖かみのある物だったからです。
打合せに入り、思い出コーナーの写真についてお尋ねしました。
子どもたちに迷惑を掛けたくないと、施設で暮らしていらしたのですが、
いよいよ、余命がそう残されていないと感じた施設の方の、「ご自宅で最期を迎える選択もある」とのご提案に、ご本人も家族もそれを望まれ、一月ほどをご自宅で家族と共に過ごされたそうです。
お母さんが寝ていらっしゃる横で、娘さん方がたくさんの写真を広げ、選び、貼っていかれました。
「色々な思い出話も出てきたんじゃないですか?」との問いに
「そうなんです。笑ったり、泣いたり・・・」
きっとおかぁさんにも聞こえていたでしょうね。とても素晴らしい看取りの時間だったのではないでしょうか。
そして、お孫さんから「お別れの言葉」があると聞いていたのですが、おばぁちゃんへではなく、ご会葬の皆様に故人の経歴をお伝えするという事でした。
その原稿を見せていただきましたが、きちんとあばぁちゃんの人生が記されていましたので、補足する形で故人のお人柄、生き方を短いナレーションで綴ることに・・・
そして、お孫さんの嫁ぎ先がガーベラだけを育てている農家さんで、そこから、300本のガーベラが届いていたのです。
かねてより、誕生日など記念日にはガーベラが贈られてきて、ご家族に「私の棺にはガーベラを入れてほしい」と話していらしたようです。
最後のお別れはお顔の周りから腰のあたりまで色とりどりのガーベラで埋め尽くされました。足もとは供花の中から白っぽい花を選んでお切りして、手向けていただき、まるでお姫様のよう・・・とても美しいお別れとなりました。
故人のお年の数ほどの写真。お孫さんからの「おばあちゃんの歩み」
ガーベラでのお別れ
その方の人生を表現した、ご家族の心がこもった手作り感あふれるご葬儀となりました。
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こだわったからこその自宅葬
代表者(森田理恵子)
プロフィール
経歴
- 1980年3月
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鹿児島短期大学音楽科卒業。
ピアノ講師として子どもや大人のレッスンをする傍ら、婚礼でエレクトーン・ピアノ演奏をしていたが、1998年、縁あって某大手葬儀社にて司会・ピアノ演奏・アテンダント・控室の清掃など、葬儀現場の女性の仕事を請け負うようになる。 葬儀現場における様々な業務に従事し、葬儀を一から学ぶ。
- 2001年
- 有限会社エムアール・コーポレーションを設立。
- 2007年
-
ある思いからその某大手葬儀社との契約を解除。
社員・スタッフはその葬儀社に移籍、一人でゼロからの再スタート。
- 2015年
- 一般社団法人自分史活用推進協議会認定 自分史活用アドバイザー資格取得。
- 2017年
- 一般社団法人グリーフサポート研究所認定 グリーフサポートバディ資格取得。
- 2018年現在
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約10社からの司会・ピアノ演奏の依頼を受け、スタッフを派遣。自らも司会者として奮闘中。
もっとご遺族の為にできることがあるのではとの想いから2015年より、株式会社ジーエスアイで、以前から興味のあったグリーフサポートを学ぶ。
- 2018年
- 一般社団法人グリーフサポート研究所認定 セレブラント資格取得。